gooブログから引っ越してきました
もとは漢検ブログ、今は主に古典和歌に関する話題を投稿しています
(旧ブログ名 「漢検一級 かけだしリピーターの四方山話」)

クラシック音楽や、放送大学大学院での学びの話題もときおり ^^

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

古今和歌集 0062

あだなりと なにこそたてれ さくらばな としにまれなる ひともまちけりあだなりと 名にこそ立てれ 桜花 年にまれなる 人も待ちけりよみ人知らず 桜の花は、すぐに散ってしまうので薄情だと言われているけれども、その花でも一年に何度も来られないあなたが来…

古今和歌集 0061

さくらばな はるくははれる としだにも ひとのこころに あかれやはせぬ桜花 春くははれる 年だにも 人の心に あかれやはせぬ伊勢 桜花は、春がひと月多い年であっても、人々が十分に満ち足りるほどに咲くことはないのだろうか。 旧暦では暦の調整のために閏…

古今和歌集 0060

みよしのの やまべにさける さくらばな ゆきかとのみぞ あやまたれけるみ吉野の 山べに咲ける 桜花 雪かとのみぞ あやまたれける紀友則 吉野の山辺に咲く桜花を、雪と見間違えてしまったよ。 吉野山は雪の多いところとしても知られており、そのため、山のほ…

古今和歌集 0059

さくらばな さきにけらしな あしひきの やまのかひより みゆるしらくも桜花 咲きにけらしな あしひきの 山のかひより 見ゆる白雲紀貫之 山の谷間から白雲が見えている。どうやら山では桜が咲いたらしい。 見立てと言ってよいのかどうかわかりませんが、山と…

古今和歌集 0058

たれしかも とめてをりつる はるがすみ たちかくすらむ やまのさくらを誰しかも とめて折りつる 春霞 立ち隠すらむ 山の桜を紀貫之 一体誰がわざわざ探し求めて山の桜を折ったのだろうか。春霞が立って隠していたのに。 山に咲く桜が折られていた。春霞が立…

古今和歌集 0057

いろもかも おなじむかしに さくらめど としふるひとぞ あらたまりける色も香も おなじ昔に さくらめど 年ふる人ぞ あらたまりける紀友則 桜の花は、その色も香りも昔と同じに咲いているのであろうが、それを見ている自分は年を取って変わってしまった。 詞…

古今和歌集 0056

みわたせば やなぎざくらを こきまぜて みやこぞはるの にしきなりける見わたせば 柳桜を こきまぜて 都ぞ春の 錦なりける素性法師 見渡すと、柳と桜を散り交ぜていて、都は春の錦の状況であることだ。 秋の錦である紅葉に対して、柳と桜が入り混じって美し…

古今和歌集 0055

みてのみや ひとにかたらむ さくらばな てごとにをりて いへづとにせむ見てのみや 人にかたらむ 桜花 手ごとに折りて 家づとにせむ素性法師 ただ見てそれで人に話すのではとても足りない。この桜花をめいめいで手折って家への土産に持って帰ろう。 この桜の…

古今和歌集 0054

いしばしる たきなくもがな さくらばな たをりてもこむ みぬひとのため石ばしる 滝なくもがな 桜花 手折りても来む 見ぬ人のためよみ人知らず 激しく流れ落ちる滝がなければ、見られない人のために桜花を手折って帰れるのになあ。 「石ばしる」は滝にかかる…

古今和歌集 0053

よのなかに たえてさくらの なかりせば はるのこころは のどけからまし世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし在原業平 世の中に桜というものがまったくなかったなら、人々はさぞゆったりした気持ちで春を過ごすことができるであろうに。 …

古今和歌集 0052

としふれば よはひはおひぬ しかはあれど はなをしみれば ものおもひもなし年ふれば よはひは老ひぬ しかはあれど 花をし見れば もの思ひもなし前太政大臣 年月が経って私も年老いてしまったが、花をていれば思い煩うことはない。 0007 でもご紹介した通り、…

古今和歌集 0051

やまざくら わがみにくれば はるがすみ みねにもおにも たちかくしつつ山桜 わが見にくれば 春霞 峰にも尾にも たちかくしつつよみ人知らず 山桜を私が見に来たら、春霞が峰にも尾にも立って桜を隠している。 桜を見るために山までやって来たのに、一面の霞…

古今和歌集 0050

やまたかみ ひともすさめぬ さくらばな いたくなわびそ われみはやさむ山高み 人もすさめぬ 桜花 いたくなわびそ 我見はやさむよみ人知らず 高い山に咲いているので、人から称揚されることのない桜花よ、ひどく悲しむことはない。私が見て美しいと感じている…

古今和歌集 0049

ことしより はるしりそむる さくらばな ちるといふことは ならはざらなむ今年より 春知りそむる 桜花 散るといふことは ならはざらなむ紀貫之 今年から春を知り始めた桜花よ、「散る」などということは習得しないでおくれ。 こから70首ほど続く桜の歌の一首…

古今和歌集 0048

ちりぬとも かをだにのこせ うめのはな こひしきときの おもひいでにせむ散りぬとも 香をだにのこせ 梅の花 恋しき時の 思ひ出にせむよみ人知らず 梅の花よ、散ってしまっても、せめて香りだけでも残しておくれ。恋しく思ったときの思い出にするから。 散り…

古今和歌集 0047

ちるとみて あるべきものを うめのはな うたてにほひの そでにとまれる散ると見て あるべきものを 梅の花 うたてにほひの 袖にとまれる素性法師 梅は美しく咲いては散るもの。それはやむを得ないと思って受け入れようとしているのに、困ったことにその香りが…

古今和歌集 0046

うめがかを そでにうつして とどめてば はるはすぐとも かたみならまし梅が香を 袖にうつして とどめてば 春は過ぐとも 形見ならましよみ人知らず 梅の香りを袖に移して留め置けるなら、春が過ぎ去ってもそれを偲ぶよすがにできるであろうに。 以前も書きま…

古今和歌集 0045

くるとあくと めかれぬものを うめのはな いつのひとまに うつろひぬらむくるとあくと 目かれぬものを 梅の花 いつの人まに うつろひぬらむ紀貫之 日が暮れても夜が明けても目を離さずに見ていた梅の花なのに、いつ人が見ていない間に散ってしまったのだろう…

古今和歌集 0044

としをへて はなのかがみと なるみづは ちりかかるをや くもるといふらむ年をへて 花の鏡と なる水は ちりかかるをや 曇るといふらむ伊勢 長い間、ほとりに咲く梅の花を鏡のように映し続けてきた水。その梅が散って水にかかることを、鏡に塵がかかったように…

古今和歌集 0043

はるごとに ながるるかはを はなとみて をられぬみづに そでやぬれなむ春ごとに 流るる川を 花と見て 折られぬ水に 袖やぬれなむ伊勢 春が来るごとに流れる川を花とみて、その枝を折ろうとしても折れない水に袖が濡れるのであろうか。 川辺に梅が咲いていて…

古今和歌集 0042

ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほひける人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける紀貫之 さても人の心というものはわからないものです。この昔なじみの家では、花は昔と同じ香りに匂っているというのに。 もは…

古今和歌集 0041

はるのよの やみはあやなし うめのはな いろこそみえね かやはかくるる春の夜の 闇はあやなし 梅の花 色こそ見えね 香やはかくるる凡河内躬恒 春の夜の闇は無駄なことをする。いくら梅の花の姿を隠しても、香りを隠すことなどできようか。 個人的にとても好…

古今和歌集 0040

つきよには それともみえず うめのはな かをたづねてぞ しるべかりける月夜には それとも見えず 梅の花 香をたづねてぞ 知るべかりける凡河内躬恒 月夜には、梅の花もはっきりとは見えない。香りをたよりにしてそれと知るのだ。 「闇夜には」なら梅の花が見…

古今和歌集 0039

うめのはな にほふはるべは くらぶやま やみにこゆれど しるくぞありける梅の花 にほふ春べは くらぶ山 闇に越ゆれど しるくぞありける紀貫之 梅の花が匂う春は、くらぶ山を夜の闇の中で越えても、梅が咲いていることがはっきりとわかることであるよ。 「く…

古今和歌集 0038

きみならで たれにかみせむ うめのはな いろをもかをも しるひとぞしる君ならで 誰にか見せむ 梅の花 色をも香をも 知る人ぞ知る紀友則 この梅の花を、あなた以外の誰に見せましょうか。色も香りも、わかる人にしかわからないのですから。 梅の花の本当の良…

古今和歌集 0037

よそにのみ あはれとぞみし うめのはな あかぬいろかは をりてなりけりよそにのみ あはれとぞ見し 梅の花 あかぬ色香は 折りてなりけり素性法師 遠くから眺めて素晴らしいと思っていた梅の花の、見飽きることのない色や香りを、枝を折って初めて知ることがで…

古今和歌集 0036

うぐひすの かさにぬふといふ うめのはな をりてかざさむ おいかくるやと鶯の 笠に縫ふといふ 梅の花 折りてかざさむ 老いかくるやと 東三条左大臣 鶯が笠に縫うという梅の花を追って頭に挿してみよう。老いが隠れるかと思って。 作者の東三条左大臣は嵯峨天…

古今和歌集 0035

うめのはな たちよるばかり ありしより ひとのとがむる かにぞしみぬる梅の花 立ちよるばかり ありしより 人のとがむる 香にぞしみぬるよみ人知らず 梅の花のところにほんの立ち寄るくらいいただけなのに、人にあやしまれるほどの香がしみついてしまった。 …

古今和歌集 0034

やどちかく うめのはなうゑじ あぢきなく まつひとのかに あやまたれけり宿近く 梅の花植ゑじ あぢきなく 待つ人の香に あやまたれけりよみ人知らず 宿の近くに梅の花を植えるのはよそう。来てくれるのを心待ちにしている人の香と間違えて、がっかりすること…

古今和歌集 0033

いろよりも かこそあはれと おもほゆれ たがそでふれし やどのうめぞも色よりも 香こそあはれと 思ほゆれ 誰が袖ふれし 宿の梅ぞもよみ人知らず 色よりも香のほうを素晴らしいと感じられる。いったい誰が宿の梅に袖を触れてその香を移していったのだろうか。…