2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧
八月駒迎え あふさかの せきのしみずに かげみえて いまやひくらむ もちづきのこま 逢坂の 関の清水に 影見えて 今や引くらむ 望月の駒 八月の駒迎え 逢坂の関の清水に、十五夜の月と馬の影とが映っているのが見える。今まさに、望月牧場の馬が引かれていく…
たなばた あきかぜに よのふけゆけば あまのがは かはせになみの たちゐこそまて 秋風に 夜の更けゆけば 天の川 川瀬に波の 立ちゐこそ待て たなばた 秋風が吹き、七夕の夜が更けて行くと、天の川の川瀬には波が立ち、織姫が立ったり座ったりして逢瀬を待っ…
七月七日 たなばたに ぬぎてかしつる からころも いとどなみだに そでやくちなむ たなばたに 脱ぎてかしつる 唐衣 いとど涙に 袖や朽ちなむ 七月七日 脱いで織女に供えたこの衣は、逢瀬のはかなさを嘆く織女の涙で朽ちてしまうことでしょう。 「かす」はここ…
六月祓え みそぎする かはのせみれば からころも ひもゆふぐれに なみぞたちける みそぎする 川の瀬見れば 唐衣 ひもゆふぐれに 波ぞ立ちける 六月の祓え 禊をする川の瀬を、衣の紐を結いながら眺めていると、夕暮れになって川面には波が立っているよ。 「六…
六月鵜飼 かがりびも かげしるければ うばたまの よかはのそこは みづももえけり 篝火も 影しるければ うば玉の 夜川の底は 水も燃えけり 六月の鵜飼 鵜飼の篝火の影がはっきりと映っているので、夜の川の底で水も燃えているかのようだ。 「しるけれ」は「し…
五月照射 さつきやま このしたやみに ともすひは しかのたちどの しるべなりけり 五月山 木の下闇に ともす火は 鹿の立ちどの しるべなりけり 五月照射 五月の山の木の下の闇にともす火は、鹿が立っているところを知るしるしなのであるよ。 Weblio古語辞典 …
三月つもごり はなもみな ちりぬるやどは ゆくはるの ふるさととこそ なりぬべらなれ 花もみな 散りぬる宿は 行く春の 古里とこそ なりぬべらなれ 三月の末日 花もみな散ってしまった宿は、去り行く春にとって古里ともいうべきものになっているようだ。 晩春…
忘れ草 うちしのび いざすみのえに わすれぐさ わすれてひとの まだやつまぬと うち忍び いざすみのえに 忘れ草 忘れて人の まだや摘まぬと 忘れ草 住の江の忘れ草を見ると、あの人は忘れてこの忘れ草をまだ摘んでいないのではないか、私への恋心を忘れずに…
三月田かへすところ やまださへ いまはつくるを ちるはなの かごとはかぜに おほせざらなむ 山田さへ いまは作るを 散る花の かごとは風に おほせざらなむ 三月に田を耕すところ 今は田を耕す時期にまでなっていて桜が散るのは当たり前であるのに、いまさら…
弓の結 あづさゆみ はるのやまべに いるときは かざしにのみぞ はなはちりける あづさ弓 春の山辺に いるときは かざしにのみぞ 花は散りける 弓の結 春の山辺に入ったときには、桜の花が髪のかんざしとなって降りかかったことだ。 「弓の結(けち)」とは、…
二月初午、稲荷詣でしたるところ ひとりのみ わがこえなくに いなりやま はるのかすみの たちかくすらむ ひとりのみ わが越えなくに 稲荷山 春の霞の 立ちかくすらむ 二月の初午(はつうま)の日に、稲荷神社に詣でたところ 私ひとりだけで越えて行くのでは…
延喜六年、月次の屏風八帖が料の歌四十五首、宣旨にてこれを奉る二十首 子の日遊ぶ家 ゆきてみぬ ひともしのべと はるののに かたみにつめる わかななりけり 行きて見ぬ 人もしのべと 春の野に かたみに摘める 若菜なりけり 延喜六(906)年、月々の行事や風…
しらゆきの ふりしくときは みよしのの やましたかぜに はなぞちりける 白雪の 降りしくときは み吉野の 山下風に 花ぞ散りける 白雪が降りしきるときは、まるで吉野山から吹き降ろす風に花が散っているようだ。 001 に続いて、藤原定国の四十歳を祝う歌。古…
延喜五年二月、泉の大将の四十賀屏風の歌、仰せ事にてこれを奉る なつやまの かげをしげみや たまぼこの みちゆきひとも たちどまるらむ 夏山の 陰をしげみや 玉ぼこの 道行き人も 立ちどまるらむ 延喜五(905)年二月、藤原定国の四十歳を祝う屏風歌を、醍…
数年前、当時在籍していた放送大学大学院の授業で改めて和歌を学んだことを直接のきっかけに古今和歌集を通読し、その撰者にして重要な歌人、そしてあまねく有名な「仮名序」の執筆者でもある紀貫之という人物に非常に興味を覚えました。 以後、非常にゆっく…
大変ご無沙汰しておりました。 11月に「一日一首の古今和歌集」の投稿を終えて少し休もうとは思っていたのですが、思いのほか間隔があいてしまいました。 和歌の勉強は続けていて、古今和歌集の次の題材でぼちぼち記事のアップを再開していこうかと思ってい…